2017/07/06

こんにちは、杉浦です。
前回のコラム「ビッグデータ & IoT活用を企画するコツ〜非エンジニアな企画担当者のための、やさしい解説〜」に続き、今回も “IoT活用企画のコツ”をお送りします。
【関連記事】
ビッグデータ & IoT活用を企画するコツ
非エンジニアな企画担当者のためのやさしい解説
https://bdm.dga.co.jp/?p=3313
■ はじめに
IoTに着目して私が初心者向けのコラムを最初に寄稿したのは、2014年8月7日でした。1年半以上経った今でも、その注目度はまだまだ上昇中です。

Googleトレンドにて「IoT」を表示(2014年1月~)
一方で現場を取材してみると、実験段階だったり企画をテストしていたりと、具体的な活用はまだまだ進んでいないように見受けられます。
そこで今回は「IoT活用を企画するコツ〜第二弾〜」として、情報集のコツとなる“関連ニュースから企画アイディアに展開するコツ”に触れてみたいと思います。情報に敏感になり、自社で活用できそうなものはスグに試し、ライバルよりも早く一歩を踏み出しましょう!
■ どんな領域にアンテナを張るべきか?
まずは、収集する情報の対象についてです。もちろん 『 “IoT”というキーワードが含まれるニュースを読んでいます!』でもいいのですが、それだけでは情報に“漏れ”があります。また、記事として公表された企画に自分の思考が引きずられる可能性があります。
漏れなく関連情報を収集するためには、日頃から、IoT企画に必要な要素を情報収集テーマとしてイメージしておきます。たとえば、最近私がイメージしているIoT関連テーマは下記のような感じです。
① については、時々次のようなニュースが見つかります。
「超小型のストリーミングカメラ「WiCAM」はプログラミング可能!」
http://techable.jp/archives/37452
② で注目しているのは、
「IoT時代の通信キャリア「ソラコム」の挑戦–創業4カ月で1500社が採用」です。
http://japan.cnet.com/news/business/35078421/
③ は、
「簡単にIoTを実践するには ~エンジニアでなくても知っておくべきIoTのサーバーサイド~」に書かせていただきました。
https://bdm.dga.co.jp/?p=2694
④ では、オープンデータの公開動向が気になっています。
たとえば、「 “地域道路経済戦略研究会”の設立及び開催について」です。
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000599.html
⑤ 「賢さ(=スマート)」という点では、AI(人工知能)、機械学習といったキーワードでチェックします。最近で気になるのは、WatsonのAPIです。
https://www.change-makers.jp/post/10851
⑥ の領域では、「バッテリー」「消費電力」「発熱」あたりが気になっています。
⑦ では、プライバシー関連法案やブロックチェーン関連の動向が気になります。
http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00376322
■ 企画アイディアの広げ方
ここでは⑤でご紹介したWatsonのニュースで考えてみましょう。報道されているAPIのイメージは下記の通りです。
たとえば、自動車の事故や故障に対処するフィールド業務での活用を考えてみます。コールセンターがユーザーとフィールドスタッフとの連絡役になっているとします。
これまでご提示したフレームワークから、
- 業務フロー図から活用モデルを考える
https://bdm.dga.co.jp/?p=3313
や、
- 人の活動をモノの機能に置き換える
https://bdm.dga.co.jp/?p=3027
を活用してみます。
業務フロー図をみると、コールセンターでは事故や故障に遭ったユーザーからの電話を受け付けた後、対応スタッフへの指示も同じスタッフが電話で対応していたとします。
この、コールセンターとフィールドスタッフとの間のコミュニケーションをWatsonで代替してはどうかと考えます。ヘルメットに音声デバイスを仕込んだり、スマートグラスを仕込んだりしても良いです。アイアンマンのヘルメットをかぶったようなイメージです。
ユーザー対応にWatsonを活用することも考えられますが、興奮しているユーザーがいたりすると、サービス品質が維持できるか?に不安があります。ユーザー対応よりも先に社内コミュニケーションのエージェントとして使うことで、実装のハードルはぐっと低くなります。また、バイクを運転して現場に向かうスタッフでも、会話による情報収集や情報入力なら移動中に実行できそうですね。
■ まとめ
– 普段からIoT企画に必要な要素をイメージしておきましょう。
– 必要な要素についてアンテナを張り、動向を把握しましょう。
– 試せそうな製品やSDK、APIなどが見つかったら試してみましょう。
【関連記事】
■「IoT活用企画」IoT活用のコツ シリーズ
第1回:「IoTらしさ」とは?
https://bdm.dga.co.jp/?p=3002
第2回:IoTを企画するためのフレームワーク
https://bdm.dga.co.jp/?p=3027
■「モノのインターネットとは?」 〜IoTの動向と課題〜
前編
https://bdm.dga.co.jp/?p=1677
後編
https://bdm.dga.co.jp/?p=1790
■簡単にIoTを実践するには ~エンジニアでなくても知っておくべきIoTのサーバーサイド~
https://bdm.dga.co.jp/?p=2694
■ビッグデータ & IoT活用を企画するコツ 非エンジニアな企画担当者のための、やさしい解説
https://bdm.dga.co.jp/?p=3313
【執筆者情報】
杉浦 治(すぎうらおさむ)
株式会社 AppGT 取締役
株式会社 学びラボ 代表取締役
一般財団法人ネットショップ能力認定機構 理事
2002年デジタルハリウッド株式会社取締役に就任。IT業界における経営スペシャリスト育成やネット事業者向け研修開発を行う。
2010年4月「ネットショップ能力認定機構」設立。ネットショップ運営能力を測る「ネットショップ検定」を主催。
2013年7月、プレステージ・インターナショナル(東証一部)より出資を受けて(株)AppGTを設立。コンタクトセンターに蓄積された顧客コミュニ ケーションデータを分析し、今後の主要な顧客接点となるスマートフォンの活用において、様々な研究や企画提案を行っている。