2017/07/06
こんにちは、今年の8月に「IoT活用のコツ」という記事を寄稿した杉浦です。今回は、前回のコラムで述べた内容のうち、企画の起点ともいえる「目的の設定」に焦点をあてて、もう少し詳しくお話ししたいと思います。今回のコラムも、エンジニアでも統計の専門家でもない企画担当者むけに解説します。
■はじめに
“ビッグデータ”とか“IoT”といったキーワードが目につくようになって久しいのですが、いまだに、企業の中で担当者が
「ビッグデータ活用やIoT活用とかを企画しろ!」
「ウチには沢山のデータがあるだろ?」
「ウチにはユニークなセンサー技術があるだろ?」
と言われて、苦しんでいる姿を目にします。そして、多くの担当者は「まず勉強!」と、講演会やセミナーに参加し、書籍を購入し、そしてニュースを読みあさります。
確かにビッグデータやIoTの概要を理解し、周辺プレーヤーの存在や動向を知るのは良いことなのですが、これだけでは自社独自のプランニングを始めようとしたとたんに壁にぶつかってしまうのです。そこで「ベンチマークだ!」と考え、類似業種の事例を探し始めます。しかし、事例をいくら集めてみても成果に繋がる企画にはなりません。
その理由は、
- そもそも普遍的な成功例はほとんど無い。
- 検討範囲に偏りや抜け漏れがある。
- その結果、むりやり仕上げた企画は成果が期待できないものになる。
からです。
良さそうな事例を見つけて真似るだけでは思考範囲に不足がありますし、そもそも成功例が極めて少ない現状では、効果が期待できる企画になりづらいのです。

■業務フロー図を活用しよう
前回のコラム「IoT活用のコツ(https://bdm.dga.co.jp/?p=3027)」では、「今のヒトの活動を洗い出して検討」して下さい、と書きました。具体的な方法は、現在の業務フロー図を眺めながら活用シーンを検討することです。これによって、検討すべき業務領域の漏れがなくなります。

■アイディアのチェック表を活用しよう
ビッグデータ分析やIoTの活用で期待できる、業務フロー改善の成果は次の3つです。
- スピードアップ
(業務の省略、業務処理時間の短縮など - 非効率、ムダの排除
(リソース配分の最適化、追加業務や手戻りの防止など) - 品質、精度アップ
(ユーザー体験の改善、業務のレベルアップなど)
活用モデルを表すキーワードとして、「無人化」「予測」「リアルタイム」などが挙げられますが、この“成果”と“活用モデル”とでマトリクスを作り、アイディアで埋めていくと良いでしょう。手順をイメージしやすいように、下記の業務フロー(例)についてマトリクスを作り、アイディアを出してみました。
■まとめ
IoT活用の企画を検討するときだけではなく、広範囲にビッグデータ活用の企画を検討する際に、私は「業務フロー図を眺める」ことをお勧めします。業務フロー図は、業務に関わる全プレーヤー(関係者)と、それぞれのプレーヤーがどんな業務処理を実施するのか? その処理のためのインプットはどこから来て(前工程のプレーヤーは誰?)、アウトプットは次のどの業務に繋がるか?を分かり易く示した資料です。活用シーンを漏れなく検討する際のチェック資料として最適です。
また、もう少し俯瞰して考えたい場合には、「ビジネスモデル図」を眺めてみるのも良いでしょう。是非お試し下さい。
【関連記事】
■「IoT活用企画」IoT活用のコツ シリーズ
第1回:「IoTらしさ」とは?
https://bdm.dga.co.jp/?p=3002
第2回:IoTを企画するためのフレームワーク
https://bdm.dga.co.jp/?p=3027
■「モノのインターネットとは?」 〜IoTの動向と課題〜
前編
https://bdm.dga.co.jp/?p=1677
後編
https://bdm.dga.co.jp/?p=1790
■簡単にIoTを実践するには ~エンジニアでなくても知っておくべきIoTのサーバーサイド~
https://bdm.dga.co.jp/?p=2694
【執筆者情報】
杉浦 治(すぎうらおさむ)
株式会社 AppGT 取締役
株式会社 学びラボ 代表取締役
一般財団法人ネットショップ能力認定機構 理事
2002年デジタルハリウッド株式会社取締役に就任。IT業界における経営スペシャリスト育成やネット事業者向け研修開発を行う。
2010年4月「ネットショップ能力認定機構」設立。ネットショップ運営能力を測る「ネットショップ検定」を主催。
2013年7月、プレステージ・インターナショナル(東証一部)より出資を受けて(株)AppGTを設立。コンタクトセンターに蓄積された顧客コミュニ ケーションデータを分析し、今後の主要な顧客接点となるスマートフォンの活用において、様々な研究や企画提案を行っている。





