2017/07/06

ビッグデータマガジン 土本寛子です。
日本経済新聞の一面にビッグデータに関する記事(ビッグデータで予防医療 2013年9月12日 )が掲載されるなど、社会に浸透してきたキーワード「ビッグデータ」。
しかし、その具体的な活用計画を求められる企業のご担当からは、「何から、どうはじめようか…、どう人材を育成したらよいのか…」といった悩みが聞かれます。
そのような中、ビッグデータマガジンを運営する株式会社チェンジが、ビッグデータ無料勉強会を開催しております。
本日は、その様子をレポートいたします。
□■ビッグデータ無料勉強会━━━━━━━
【開講場所】株式会社 チェンジ(東京都渋谷区東1-26-20 東京建物東渋谷ビル11階)
【参加費】無料
【プログラム 概要】
・ビッグデータのトレンド・環境
・ビッグデータ分析(デモ・ハンズオン付き)
・ビッグデータ人材育成の課題
・質疑応答
次回開催は、2013年11月8日(金)です。
無料勉強会は毎月開催しております。2013年11月以降の開催日程予定は以下からご確認ください。
◆くわしくはこちら(ビッグデータ無料勉強会 詳細ページ)から◆
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■ビッグデータを取り巻くリアルな声「具体的なイメージがわかない…」
無料勉強会の開始前に、参加いただいた方に現状をヒアリングいたしました。
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“新事業でビッグデータの活用を検討している。しかし、現在のビジネスの強みを活かしつつ、どのようにビッグデータ活用を新事業につなげるか、チャンスはたくさんありそうだが具体的な打ち手がイメージできない”
“データは山のように社内にある。「だから何とかしろ!」と言われるが、そのデータをどう活用していけばよいのかわからない”
“会社からデータサイエンティスト育成を指示された。そのため、データサイエンティスト関連の研修やセミナーを探しはじめたが、ピンとくる研修がなかった。
特定のツールや製品の使い方研修はあっても、そもそもどの製品を選択してよいのかの判断材料がなくて、どう選定していいのかがわからない”
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ビッグデータに期待をよせつつも、具体的なビジネス活用や人材育成がイメージできないといった感じです。
そのため、この勉強会には「ビッグデータ活用のために、具体的に何を検討すべきか? “あたり”をつけていただきたい」という本勉強会の開催目的に合った方が参加されています。
それでは、ここからパートごとにレポートいたします。
■ビッグデータにまつわるキーワードを理解する
【勉強会内容】
・政府が日本の成長戦略と位置づける“ビッグデータ活用”
・「ビッグデータ」の定義? 3つのV
・ビッグデータ技術の全体像、重要技術用語 など
まずは、ビッグデータの概要や定義、技術的な背景など、共通理解を持つことから始まりました。
今年の6月には政府が成長戦略を発表しており、そこで最初に挙げられているのがビッグデータ活用の推進だそうです。
世界最先端 IT 国家創造宣言
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20130614/siryou1.pdf )より
次にビッグデータの特徴をあらわす3つのVの解説に続いて下記のような用語が紹介され、これらの難しい用語の、やさしい解説がおこなわれました。
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データサイエンティスト、オープンデータ、インターネットオブシングス(IoT)、分散処理技術、NOSQL、Hadoop、非構造データ、機械学習、インメモリーデータベース、ストリームデータ処理(CEP)エンジン…
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羅列しただけでもめまいがするこれらのキーワードは、ビッグデータ活用を議論する上で必須のキーワードです。
そして、ビッグデータ活用に携わるメンバーは、企画担当者でも、技術担当者でも、基礎用語くらいは知っておくべきだそうです。
確かに、組織メンバーとのコミュニケーションができなければ、ビッグデータのビジネス活用なんて進められないですよね。
この無料勉強会だけでも、それぞれのキーワードが何を意味していて、相互にどう関係しているのか?といった知識は得られそうです。
■生データや、主要ツールを知って実務をイメージする
(扱うデータを知る/よく使われるツールを知る)
【勉強会内容】
・多様なデータ、主要なツールの紹介
・ツイートデータを見る
・形態素解析と機械学習(ベイズ分類器)
・広告ツイートの排除 など
株式会社チェンジが提供する「データサイエンティスト養成コース(5日間)」で実際に使用することができるデータやツールを紹介しながら、ビッグデータ活用で検討すべき自社所有データ以外の主なデータや、HadoopやAmazon Redshift、Tableau Softwareなど、ビジネス活用における主要なツールが紹介されました。
また、データを分析するにあたり統計知識は不可欠とのことで、形態素解析、ベイズ分類器、機械学習など統計についての紹介がありました。
目指すべき姿は統計分析のプロではなく、データ分析時に適切なタイミングで適切な統計手法を選択できることということでしたが、そのためにも、基礎的な統計に関する知識が不可欠とのことです。
そのため、大量ツイートデータを、形態素解析のフリーウェア“MeCab”やベイズ分類器を使って統計分析するデモを見ましたが、何をしたいかの目的がわかったうえでの統計は、想像以上に理解しやすかったです。
■「ビジネス企画の立案」の演習で身につく能力を知る
【勉強会内容】
・経営戦略におけるビッグデータ活用の位置づけ
・Tableau Desktop(タブロー デスクトップ)によるデータ分析 など
(実際に触って体験できるマシンを数台設置)
「今さら」ですが、ビッグデータ分析のビジネス活用は、経営成果に役立たなければ意味がないということを、ビッグデータ分析における経営戦略との関係解説によって再認識させられました。
現場では、目の前のデータを分析して、見栄えのよい分析レポートを出すことで満足してしまう方が散見されるらしいです。
それじゃ意味がないってことですよね。前述のとおり、自社の所有データを分析することだけで満足してしまわないようにすることも、ひとつのコツのようです。
最後に、最近話題の分析ツールTableau Desktop(タブローデスクトップ)を体験しました。
大量データをカラムナ型にするなど、技術的な進展を体感しつつ、簡単な操作でデータをスピーディーに視覚化することができて、非常に楽しかったです!!!
■人材の育成について考える
【勉強会内容】
・ビッグデータ関連の人材不足状況
・人材不足をチームで解決する組織開発
・総務省が検討する高度ICT利活用人材育成カリキュラム など
最後は、人材育成と組織作りについてでした。
ビジネス活用に多大な期待がよせられるビッグデータですが、2017年時点で25万人程の人材不足に陥るという深刻な状態らしいです。人材不足解消の障壁は、スキルまたはトレーニングの不足(32%)と予算/リソースの不足(32%)とのことです。
深刻なビッグデータ人材不足が確実視される中、成長戦略にビッグデータ活用を盛り込む日本の行政機関(総務省など)も人材育成カリキュラムの開発に乗り出しているようです。
株式会社チェンジの5日間研修「データサイエンティスト養成コースベーシック」も、こういったカリキュラムに沿っているようです。
また、ひとりのスーパーマンを育成するのではなく、組織として「データサイエンティスト・チーム」を組成し、ビジネス現場で活用しようとする動きも見られるようで、「確かに現実的!!!」と感じました。
■受講後の参加者コメントご紹介
デモやハンズオンでの演習もあり、あっという間の3時間でした。
参加者の方からは、参加前に比べビッグデータ活用についてより具体的なイメージを持てるようになったとの声が出ていました。
参加いただいた方々の感想を一部ご紹介します。
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「社内メンバーに、ビッグデータの可能性や人材育成の必要性が説明できるようになった気がする」
「ビッグデータ活用を既存事業のマーケティングツールのように考えていたが、新規事業の企画にこそ活かしたいと思った」
「データサイエンティスト・チームの立ち上げにあたり、社内にはどのようなスキルをもった人材が不足しているのか、また、共通言語を持って議論できるレベルにあるのか、再度検討してみたい」
「本勉強会で学んだことをビッグデータ活用にまつわる関連部署に説明し、より具体的な活用方法をいろんな部署と議論したい」
「ビッグデータはバズワードではなく、積極的に取り入れるべきものだと身を持って感じた」
「実際にデータに触れてみて、技術の躍進に触れることができた」
「統計とは手段であり、その先をどうするか、ということを考えたうえで取り組まなければならないと感じた」
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この勉強会は、ビッグデータ活用について具体案を検討する際の事前準備として活用できそうですね。
次回開催は2013年11月8日(金)です。
無料勉強会は毎月開催しております。2013年11月以降の開催日程予定は以下からご確認ください。
詳細はこちらから↓↓↓
執筆者情報
土本 寛子(つちもと ひろこ)
ビッグデータマガジン管理者
【経歴】モノづくりに興味を抱き、製造業向けシステム開発プログラマー、SE、業務およびシステム導入コンサルタントとして従事。また、ナレッジマネジメントやWebデザイン開発などにも関与。
~株式会社チェンジでは、「ビッグデータ無料勉強会」のほか、「データサイエンティスト養成コース(5日間)」を開催しております。お気軽にお問い合わせください。~