2017/07/06
こんにちは。ビッグデータマガジン副編集長の谷内です。
この数年でAIという単語を耳にすることが、多くなりました。
また、それと同時にiPhoneのSiri、ソフトバンクのPepper君など、AIを使った製品は多く見られるようになりました。
さて、そんなAIですが、あなたは「AIとは何か?AIは何ができるのか?」と言われたときに、はっきり答える事ができるでしょうか。
今日はそんな疑問にわかりやすく答えようと思います。
もくじ
AIの定義
AIとはArtificial Intelligenceの略です。つまり、人工知能です。
実は、AIは厳密に定義されているわけではありません。
本来は「人間の知的活動を摸したプログラム」のことをAIと呼ぶことが多かったのですが、AIブームに乗って、今まではAIと呼んでいなかったような技術にもAIと名付けられるケースが増えています。
ただ単に「高性能〜」というより、「AI搭載の高性能〜」といった方が、響きが良いわけですね。一種のマーケティングとして使えるので、実際には以前はAIとは呼ばれていなかった技術を使っていても、AIが搭載された製品として宣伝することもあります。
AIには厳密な定義がないため、様々な製品の宣伝に利用され、様々な製品の宣伝に利用されることで、さらにAIの定義が曖昧になっていくという循環があります。
AIの定義は状況によって様々ですが、本記事では、「人間の知的活動を模したプログラム」をAIの定義とします。ここでの要点として、AIは物体ではなく、プログラムであるということです。AIの本体はプログラムですので、一度AIを作ってしまえば、コピーアンドペーストで容易に複製可能です。続いてAIの分類を紹介します。
強いAI・弱いAI / 汎用人工知能・特化型人工知能
現在、よく使われるAIの区分は「強いAI」「弱いAI」という区分と、「汎用人工知能」「特化型人工知能」という区分です。人工知能がどのような文脈で語られているか判断するために、知っておいて損はないので紹介します。
強いAI・弱いAI
強いAIとは、人間のように意識・自我を持つAIのことを指します。
まさにドラえもんや鉄腕アトムのようなAIですね。
昔から、人間のように意思を持つことができるAI(強いAI)を開発しようという試みはありますが、残念ながら現状では有力な成果はあがっていません。
逆に弱いAIとは、人間のような意識・自我を持たないAIのことを指します。現在のAIは全てこの弱いAIに当たります。
汎用人工知能・特化型人工知能
強いAI・弱いAIと並んでよく使われる区分に、汎用人工知能と特化型人工知能という区分があります。
汎用人工知能とは様々な思考・検討を行うことができ、初めて直面する状況にも対応できる人工知能を指します。強いAIと同じ文脈で語られることもあります。
逆に特化型人工知能とは特定の内容の思考・検討にだけ優れている人工知能です。
現在、実用化されている人口知能は全て特化型人工知能になります。
画像認識や、チェスなど限られた領域では人間以上の成果を出すこともありますが、その他の分野に対応することはできません。
たとえば、誰よりも早くクイズに答えることができるAIがあったとしても、そのAIは人間と流暢に会話することはできません。
人間ならクイズの世界チャンピオンになれて、他人と会話もできないなんてことはありませんよね?
一分野に限れば、人間より良いパフォーマンスを出す可能性がありますが、ほかの分野のことはできません。これが特化型人工知能の特徴で、現在のAIの限界でもあります。続いて、こうした特化型人工知能が行えることを紹介します。
AIが行えること
現在実用化されているAIの機能は、総務省の調査報告書によれば、次の3種に大別することができるとされています。
三種類の分け方は(出典)総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(平成28年)より引用
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h28_03_houkoku.pdf
AIを何でもできる魔法の箱だと考えている人もいますが、実際にしていることは認識、予測、実行や、その組み合わせです。
AIは膨大なデータからパターンを見つけだして、それを元に、認識、予測、実行を行います。そのため、今まで一度も起こったことがないような出来事を予測することはできません。
では実際にどのように、使われるか見ていきましょう。
筆者が面白そうだと感じたAIの活用事例を紹介していきます。
AIの活用事例
認識する
AI×画像認識技術で、リアルタイムに街中監視を実現! FUJITSU JOURNAL
http://journal.jp.fujitsu.com/2016/11/08/01/
リアルタイムに街を監視するシステムです。人件費の節約にも、街の安全性の確保にも有用です。
予測する
末期患者の「余命」を予測する人工知能、スタンフォード大学が開発 WIRED
https://wired.jp/2018/02/05/ai-predict-death/
あとどのくらいで末期患者が亡くなるかということには非常に多くの要因が絡んでいます。
医者でも間違うことが多かったこの問題に対して、スタンフォードの研究チームが200万点のカルテの分析に取り組みました。
この研究は患者にも医者にも、あるいは保険業界にもプラスになることでしょう。
実行する
アルゴリズムによる「ジェネラティヴデザイン」が、ものづくりの概念を一新する WIRED
https://wired.jp/2018/05/05/automated-design/
今まででは考えられなかったような形をした脊椎プラントを人口知能が開発したというニュースです。今までは人間が最適な形を考えていましたが、今ではAIが人間の代わりに有用な形に最適化を行ってくれます。
以上が「AI(人工知能)とは何か?どんなことができるのか?」という記事でした。
空前のAIブームだからこそ、AIができることとできないことをしっかり認識しておくのが大切ですね。
【執筆者情報】
ビッグデータマガジン副編集長。
神戸大学経営学部卒業後、人工知能とビッグデータが世界を変えると確信し、チェンジに入社。
弊社ではビッグデータを扱うデータサイエンティスト育成の研修も行なっております。
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http://www.change-jp.com/service/iot/
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