2017/07/06

こんにちは、杉浦です。先日、某大手企業で戦略ディスカッションのファシリテーターを務めたのですが、その際のテーマが「東京オリ・パラを機会に新たなビジネスを企画する」という内容でした。本日は、その準備段階で自分なりに検討した内容をご紹介したいと思います。
<はじめに>
2020年の東京五輪&パラリンピック(東京オリ・パラ)を市場機会と考えることもあるでしょうが、それでは一過性のビジネスを企画することになってしまいます。
そこで、東京オリ・パラという機会をその後のビジネスにどう活かすか?について、ビッグデータ関連企業の企画担当者になったつもりで考えてみました。
<検討プロセス>
まず、考え始める前に“考える手順”を考えてみました。考える手順は下記の通りです。
もくじ
<① 東京オリ・パラで「起こること」>
まずは、通常の年には起こらない事柄で思いつくものをいくつか挙げ、それらを分類して(タグ付けに近いイメージです)、さらに漏れをなくすべく事柄を洗い出してみました。
<② ビッグデータ、IoT、AI業界への影響>
次に、「起こること」が起こったことにより業界周辺にはどんな影響がありそうか?を考えてみました。これを、先ほどと同じように分類して(前項同様に、タグ付けに近いイメージです)、さらに漏れをなくすべく拡散してみました。
<③ その後の市場にどう活かすか?>
ビッグデータ関連業界で活かすことができそうな東京オリ・パラの遺産(レガシー)として、私自身は「高度化されたアルゴリズム」「コンテンツ」「決済インフラ」を挙げました。
さまざまな設備投資があるのに、なぜ「決済インフラ」?という点ですが、日本は他の先進国に比べて現金による支払い割合が異常に高く、そのためにクレジットカードや電子マネーの最新決済端末(EMV対応機器など)が、十分には普及していませんでした。このインフラが「東京オリ・パラを機会に、大きく変化する可能性が高い」と考えたのです。
また、東京オリ・パラの遺産(レガシー)を有効活用できる市場として、私は “医療”と“スポーツ”が有望だと感じました。
人材不足のサポート市場や広告、ダイレクトマーケティング、メディアといったアイディアも挙げたのですが、自分の興味から・・・絞ってしまいました。(汗)
ただ、その他にも「予算があり」かつ「課題を抱えている」市場はありそうですね。
<まとめ>
最後になりますが、机の前で考えているだけではビッグデータ関連で活用できそうな「遺産(レガシー)」を手に入れることはできません。東京オリ・パラの準備活動〜実施・運営活動に、何らかの形で参画する必要があるでしょう。
今後、東京オリ・パラ後のビッグデータ・IoT・AI活用ビジネスを企画するという機会が増えると思います。短い時間に思考した内容を備忘録のように記録しただけの粗雑なコラムになってしまいましたが、皆さまが企画する際のヒントになりましたら幸いです。
【執筆者情報】
杉浦 治(すぎうらおさむ)
株式会社 学びラボ 代表取締役
一般財団法人ネットショップ能力認定機構 理事
株式会社 AppGT 顧問
2002年デジタルハリウッド株式会社取締役に就任。IT業界における経営スペシャリスト育成やネット事業者向け研修開発を行う。
2010年4月「ネットショップ能力認定機構」設立。ネットショップ運営能力を測る「ネットショップ検定」を主催。
2013年7月、プレステージ・インターナショナル(東証一部)より出資を受けて(株)AppGTを設立。コンタクトセンターに蓄積された顧客コミュニ ケーションデータを分析し、今後の主要な顧客接点となるスマートフォンの活用において、様々な研究や企画提案を行っている。