2017/07/06

2014年12月、セルフサービスBIソリューションであるTIBCO™ Spotfire®の最新バージョンがリリースされたニュースを受け、日本法人である日本ティブコソフトウェア株式会社へリリース内容について問い合わせ、詳細を確認いたしました。
今回はその問い合わせで得たTIBCO™ Spotfire® 6.5.1についての情報を共有いたします。
TIBCO™ Spotfire®とは…
TIBCO™ Spotfire®(以下Spotfire)は33か国4000社以上の導入実績を持ち、国内でも200社以上の企業で導入されています。
Spotfireはもともと、製薬会社の創薬部門の可視化分析ツールとして広く活用されていたソフトウェアをティブコソフトウェアが買収して一事業とした背景もあり、世界の主要な製薬企業のほぼすべてがSpotfireを導入しています。しかし、現在では製薬業界に限らず、ハイテク産業、製造業、流通、金融、エネルギー産業等、様々な企業に導入されているBIツールです。
■Spotfire 6.5.1のリリースで大きく変わった5つのポイント
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1.スタンドアロンとして単体で利用できるデスクトップ版の登場
5.Amazon RedshiftをPostgreSQLコネクターでサポート
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1.スタンドアロンとして単体で利用できるデスクトップ版の登場
スタンドアロンとして単体で利用できるデスクトップ版が登場しました。サーバーでの情報共有機能はありませんが、搭載されている機能は従来のクライアントソフトウェアとほぼ同じであり、たとえば、数千万件のデータでも分析できます(PCのスペックに一部依存)。
そのため、手元にあるデータを分析するには十分ともいえます。
2.地図情報等の表現力がより豊かに
クラウドベースの地図を活用したロケーション分析に長けるMaporama Solutions社を2013年3月に買収し、通常の地図だけではなく、衛星写真や地質学情報、年間平均気温情報やハリケーンが過去に通った経路等の様々な地図情報を提供するWeb Map Service (WMS)に対応し、地図情報における表現力を拡充しました。
3.高度な分析機能がさらに充実
エンドユーザーには分析に対するハードルを下げつつも、一方で高度な分析もサポートするため、TIBCO Enterprise Runtime for R(TERR)で実行するスクリプトを演算式に記述し埋め込めるようになりました。(TERRはティブコソフトウェアが開発したハイパフォーマンスなR言語の実行環境で、Spotfireに統計演算エンジンとして内包されています。)
これによりR言語で高度な分析や演算をSpotfireで実行し、インタラクティブに可視化分析することができます。これらの高度な統計演算処理の開発部分は一部の人が開発し、関数として公開することで、組織内でより広いユーザー層が高度な分析処理を手軽に活用できるようになり、分析に集中出来るようになります。
4.カスタムクエリーで分析データベースを最大限に活用
Spotfireでは以前のバージョンから、取り込んだデータをメモリ上で処理することで、エクセルでは処理できない(100万件を超える)量のデータでもストレスなく分析を行うことが可能でした。
これはIn-Memory処理と呼ばれる技術で、Spotfireの標準機能でもあります。
一方、クライアントPC上にあるSpotfireにデータを取り込まなくても、DBに直接アクセスして、データの可視化を行うことができます。これをIn-DB処理と呼びます。
In-DB処理ではSQL文によるクエリも直接DBに送ることができるため(カスタムクエリー)、ユーザーは自由にデータにアクセスし、大量データを可視化分析したり、必要なデータのみを(一部集計・加工した状態で)Spotfireに取り込むことができます。
また、データソース固有のSQL文が記述可能なため、たとえばTeradata AsterでMapReduce(分散処理)の処理をSpotfireから実行し結果を可視化することが可能で、併売分析やウェブサイトの導線分析等、大量データに対してTeradata Asterが持つ強力な分析機能を実行し、業務ユーザーが様々なシーンで意思決定に活用するフロントエンドとしてSpotfireを活用することができるようになりました。
5.Amazon RedshiftをPostgreSQLコネクターでサポート
Spotfire 6.5.1では、AWS Redshiftと接続できるようになりました。RedshiftはカラムナDBによる高速処理が可能なクラウドのソリューションですが、高性能とリーズナブルな利用料(従量課金)がユーザーに支持され、普及が進んでいます。
このたび「TIBCO Spotfire Connector for PostgreSQL (and Amazon Redshift)」がリリースされたことで、簡単な手続きで、Redshiftに格納されているデータにアクセス可能になりました。
RedshiftからSpotfire上にデータを自由に取り込んで分析できるだけでなく、In-DB処理(前述)も可能ですので、すでにRedshiftをお使いのユーザーは、蓄積されたデータをさらに有効活用できるでしょう。
■Analytic Fabric ~ すべての分析をひとつの織物のように~
2013年頃から積極的に買収を行ってきたTIBCO Softwareは、それらの買収の成果をあらわし始めました。
2013 年4月にはダッシュボードやレポーティングを得意とするJaspersoft 社を買収しました。Jaspersoftはエンベデッドシステム(組み込みシステム)として、他のシステムやサービスのダッシュボードやレポーティング部分のためにJaspersoftを組み込むことも可能で既に多くの企業で導入実績があります。
本社の開発部門ではSpotfireとJaspersoftのインテグレーションも進んでいるようです。
Spotfireがもともと得意としている分析に加え、Jaspersoftのダッシュボードやレポーティング機能を組み合わせることにより、探索的に高度な分析を行うアナリストやデータサイエンティストから、ダッシュボードやレポートとして情報を活用する業務ユーザーまで幅広い分析ニーズに対応できるようになります。
今回のリリースに関し、日本ティブコソフトウェア株式会社 カントリーマネージャ黒塚明彦氏は、「KPIダッシュボードの充実や、リアルタイム分析の適用等々、ティブコソフトウェアは分析ソリューションとして分析に関連する要素をワンストップで取り揃え、“Analytic Fabric”として、分析に関するすべてのものが織り交ぜられたひとつの織物のようなソリューションを目指します」と説明。
幅広い分析ソリューションの拡充、そして、導入のハードルを下げるデスクトップ版の登場を見せたSpotfire。
これから先、どのような機能が追加されるのか、またBIにおける今後の展望については後日別途掲載予定です。
なお、TIBCO Spotfireのトライアル版はWebからダウンロードすることができ、1ヶ月間無料で利用できます。
トライアル版の詳細はこちらから↓
http://spotfire.tibco.jp/discover-spotfire/spotfire-overview/spotfire-desktop
日本ティブコソフトウェアならびにSpotfireについては、過去のインタビュー記事もあわせてご覧ください。
「日本ティブコソフトウェア株式会社」~two-second advantage(2秒の優位性)~ビッグデータマガジン・インタビュー(2014/4/17掲載)
TIBCO™ Spotfire 導入事例「日本ティブコソフトウェア株式会社」 東芝電子エンジニアリング株式会社 澤田静雄代表取締役社長 ~ビッグデータマガジン・インタビュー~(2014/4/22掲載)