2017/07/06

セルフサービスBIソリューションである「TIBCO™ Spotfire®」を中心に、クラウドやソーシャル、イベントプロセシングまで広範囲に渡るソフトウェアを展開されている日本ティブコソフトウェア。
今回は日本ティブコソフトウェア株式会社 黒塚明彦さまと、及川光博さまにBI(ビジネス・インテリジェンス)の現状およびこれからについてお話をうかがいました。
——海外で多くの導入実績を持つTIBCO™ Spotfire®(以下Spotfire)は33か国4000社以上で導入済とのことですが、日本におけるデータ分析やデータの活用状況についてどうお感じですか?
ここ3~6か月で日本国内の分析に対する考え方が変わってきたことを感じています。つい半年ほど前までは、BIとは何かを正しく認識されていないような状況でした。しかし最近では、BIの概念を理解されたうえで、導入を具体的に検討するご相談が増えました。
また、導入の検討時には他社製品と比較し、実現したい機能についてSpotfireは対応できるかなどのご質問も増え、自社内でどのように分析したいかのイメージが多くの企業で具体化してきたことを感じます。

日本ティブコソフトウェア株式会社
カントリーマネージャー黒塚明彦さま(中央)
マネージャ 及川光博さま(左)
ビッグデータマガジン 廣野勝利(右)
——BIツールの選定がより活性化している業種・業態はありますか?
業種や業態に偏りはなく、またデータ活用の目的も各社異なります。
Spotfireは、グローバルではもともと製薬会社の創薬部門の可視化分析ツールとして活用されていた背景もあり世界の主要な製薬企業がSpotfireを導入している一方で、主要な金融、石油・ガス、半導体製造企業にも導入されているBIツールです。
SpotfireはBIツールですが、単なるビジュアライゼーションツールとしての使い方だけではなく、より深く研究所で行うような統計学的な使い方としても活用できるため、さまざまな業種・業態かつ幅広い目的で導入および導入の検討をされています。
そのため日本国内でもさまざまな企業がSpotfireを検討いただいています。
——日本におけるビッグデータに対する取り組みは遅れていると聞きますが、どうお感じですか?
最近、データ分析に関する理解度があがってきていることを感じながらも、海外との比較では残念ながら、まだまだこれからといった状況だと思います。
たとえば、2014年日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)『企業IT動向調査報告書2014年』では、イノベーション促進に期待しているキーワード1位は“経営ダッシュボード”となっています。これは、一見、データ分析に関して高い興味を示しているとも見られますが、ビッグデータ時代を迎えながらも、意識としてデータ分析をもとに経営判断を行う攻めの姿勢ではなく、データを見ているだけのまだまだ受動的な状況なのではと感じています。
また、データ活用界の第一人者であるトーマス・H・ダベンポートの最新本「データ・アナリティクス3.0ビッグデータ超先進企業の挑戦(日経BP社発行)」が日本では2014年に出版されました。
一方で、データ分析をこれから取り組もうと検討されている企業が多い日本においては最新書籍よりも、データ分析の立ち上げ時に必要なことが説明してある2008年に彼が執筆した「分析力を武器とする企業(日経BP社発行)」という書籍の方がフィットすると思います。
つまり、日本の分析に対するリテラシーや理解度は、海外と比較すると5年ほど遅れをとっている可能性もあります。
しかし、先述のとおり、ここ数カ月で日本の状況も変わりはじめ、ひとまずはじめてみようかという動きを感じているため、これからの動きに期待しています。
——先日、Spotfire 6.5.1をリリースされましたが、今回のリリースの特徴はなにかありますか?
さまざまな方にさまざまな目的で使っていただきたいという想いから、導入のハードルを下げ、デスクトップ版の提供をはじめ、また、ライセンス体系の見直しを行いました。
まずひとめのデスクトップ版の提供ですが、これはSpotfireの機能はそのままに、スタンドアロンとしてサーバー機能をなくすことで、お求めやすい価格にしたものです。
ある特定業務の業務課題を分析するときや、とりあえず1ユーザから導入してデータ分析を行ってみる場合など、デスクトップ版の提供により、価格面とインストール面でのハードルを下げ、とにかくデータ分析をはじめてもらいやすくしたいのです。
TIBCO Spotfire Desktop詳細ページ
http://spotfire.tibco.jp/discover-spotfire/spotfire-overview/spotfire-desktop
次に、2014年12月からライセンス体系も見直しました。
それまでは、パーペチュアルライセンス(永久ライセンス)か、3年間のタームライセンス(期間ライセンス)でしたが、これを年間契約での保守込みのサブスクリプション、若しくは従来の永久ライセンスという体系に更新しました。年間サブスクリプションのご提供により、1年間Spotfireをお使いになりながらも以降の導入を検討いただけます。
これからデータ活用が活性化してくると、分析のための担当部署を新たに設置するのではなく、分析プロジェクトが立ち上がるケースも増えてくると思います。そして、ときにはそのデータ分析が複数部署、複数企業を横断したプロジェクトになることもあると思います。その際も、サブスクリプション・ライセンスであればプロジェクト終了時にライセンス契約を解除いただければ、所有権の管理で煩わされることがなくなります。
——今後、リリースされる機能について教えてください。
いつどの機能をリリースするかなどは正式に決定していませんが、既に海外本社のウェブサイト等でキーとなる新機能として、データを取り込むとレコメンデッド・ビジュアライゼーションとして「こんなビジュアルどうですか?」を提案してくれる機能が今後のリリースで登場すると思います。
この機能は、データからどの図解がよいかの判断だけではなく、そのデータが持つ値から、たとえば日付の入ったデータであれば「月表示がよいのか?四半期表示良いのか?」なども自動判断して提示してくれます。
ユーザはこの機能により、操作方法を習得する必要なく、Microsoft Excelよりも高度にかつ容易にデータのビジュアライゼーションが行えます。
レコメンデーション機能について(動画)
一方で、分析の敷居を下げつつも、より深く分析したいというニーズにも応えられるよう、多構造化データに対して併売分析等、高度な分析処理を実行するためにTeradata Asterと連携するなど、高度な分析機能も拡充しています。
このようにSpotfireは簡単な分析も高度な分析もどちらも拡充させながら、データ分析の裾野を広げてまいります。
そして、製品面での裾野拡大だけではなく、データ分析の定着化の必要性も感じています。
BIツールはIT投資さえすれば強制的に業務プロセスに組み込まれるようなSCMやERPとは異なります。そのため、せっかくBIツールを導入しても、いままでの業務プロセスに分析プロセスを意識的に組み込んでいかないと、データ分析を行う文化が根付きません。
データ分析の定着のために、SIerやコンサルファームとも協力して、データ分析の裾野を広げていきます。
TIBCO Spotfireのトライアル版はWebからダウンロードすることができ、1ヶ月間無料で利用できます
http://spotfire.tibco.jp/discover-spotfire/spotfire-overview/spotfire-desktop