ビッグデータマガジン

第一回 「人工知能(機械学習)をビジネス活用する時代へ」

time 2016/07/20

第一回 「人工知能(機械学習)をビジネス活用する時代へ」

ごあいさつ 「人工知能=脅威」?!人工知能をビジネス活用する時代へ (序章)

みなさんこんにちは。今回から連載を担当することになりました、DATUM STUDIOの長岡です。

早速ですが、読者の方々に

「人工知能は脅威である」

というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか・・・?

人工知能といえば、古くから数々のSF作品に登場し、ターミネーターのように人類を滅亡させる話もありました・・・

そして最近でも世界トップの囲碁棋士に人工知能が勝った、なんてニュースが話題になり、

「人間の仕事が人工知能によってどんどん無くなっていく・・・」

なんて声も聞かれます。

 

しかし、人工知能=脅威という漠然としたイメージで終わらせてしまって良いのでしょうか?

数々の業種において、「機械学習」という人工知能を利用したビジネス導入が進んでいます。私たちもこれまで数々の企業の方に、人工知能を導入するお手伝いをし、多くの方々に喜んでいただけました。

今回から始まる連載では、どんな場面でどのように人工知能を活用すれば良いのかイメージできない、ピンとこないという方々に向けて、ビジネスにおける人工知能を用いたデータ活用の現状について事例を基にお伝えしていきたいと思います。

 

・・・・・・と、堅苦しいあいさつではじまりましたが、「長岡って誰だ?」「DATUM STUDIOってなんだ?聞いたことないぞ!」「ホームページみたけど、HTMLぐちゃぐちゃだぞ!」という声が聞こえてきそうなので・・・簡単に弊社の紹介から参りたいと思います。

 

■DATUM STUDIOとは?

DATUM STUDIOは、そろそろ設立3年目になる、新しい会社です。弊社の社員の8割がデータサイエンティストで、お客様のデータをお預かりして、データを加工・解析しています。

ご依頼の形はさまざまで、「データはあるけど何ができるかわからないから一から教えてほしい」というお客様もいらっしゃれば、「人工知能を活用してこんなことがしたい。実現させて欲しい」というお客様もいらっしゃいます。

要は・・・データ活用に関することであればなんでもご相談ください。という会社です。

 

<人工知能の登場で人間の仕事は無くなる・・・?>

それでは、話を戻して人工知能のビジネス活用についてお話したいと思います。

私たちは、人間の労力を省くだけでなく、人間の予測を超える結果を出す人工知能の開発を行っています。

「人工知能の導入が進めばどんどん人間の仕事が無くなるんじゃないの・・・?」

と心配された方々も多いのではないでしょうか。

私としては、現時点で人間の仕事が完全に無くなるとは思いませんが、一部の業務が機械によって自動化されていくのではないかと考えますし、実際にそういった事例が出てきました。

 

では、どの場面で、どんな風に人工知能が活用されているか、いくつか事例をもとにイメージをつかんでいただければと思います。

 

<事例1 商品の査定を自動化させたい!>

まず一つの事例は、これまで査定士さんが長年の経験と知識で行っていた商品価格査定業務を、機械学習を利用して自動化した案件です。

価格は「色・形」や「製造元」、「取引時期」など様々な要因が複合的に影響されて決定されます。そのため、過去の査定データやネットオークションデータを取り込んで、翌週の取引価格を予測するアルゴリズムを見出し、因果関係を数式化しました。

機械学習グラフ

このモデルにしたがって査定したところ、十分なデータが揃っている商品は、査定士の査定結果を上回るほど精度の高い結果が得られています。

 

<事例2 原材料の価格を予測したい!>

もう一つの事例は、原材料の価格予測を機械学習を利用して行った、という案件です。これには、「時系列モデル」と「機械学習」の二つの手法を試行しました。

まず、時系列モデルとは時系列に沿ってデータを整理し、因果関係を数式化させ、未来のデータを予測する手法です。これによって、季節ごとの数値の変化(○月中旬に○○が高騰する!)やトレンド(○○年から○○の値段が上昇傾向にある!)が考慮されます。

 

しかしこれだけでは、時系列以外の要因をモデルに反映させることができません。

ここで、機械学習の出番です。

過去五年間のデータから、価格を決定する要因の候補を抽出し、様々な手法を統合させることにより予測モデルを作りました。

本物

結果、5ヶ月先の価格までは、専門家よりも高精度な予測ができるようになりました。

 

<目的とメリット~人工知能を有効活用するために~>

いかがでしたか?

これらの事例からお分かりのとおり、人工知能をビジネスに導入することで

  1. 人間による業務の一部自動化
  2. 人間の経験と勘に頼っていた予測の裏づけ

が可能になります。そのために重要なことは、導入を検討する際に「どんなことをデータで導きたいのか」というゴールを設定していくことです。

そして、人工知能を導入するメリットとしては

  1. 人件費削減・時間の短縮→ビジネスの最適化
  2. 人間による、人工知能ではカバーできない部分(特別なプレミア価値がついている商品の査定など)に集中することでの専門性の向上

などが挙げられます。

冒頭に「人間の仕事が奪われるのではないか・・・?」という声がある、というお話をしました。確かに一部業務は機械から人間に置き換わりますが、2のようなメリットも見逃せません。

 

<(次回の予告)人工知能を用いた異常検知の事例>

このようにさまざまな事例に取り組んでおりますが、次回は、一つの事例を元に、より具体的な解説をしていきたいと思います。

ある企業様から「センサーデータの異常検知を行いたい」という依頼をいただきました。通常であれば、センサーに異常が起きるときのパターンを集め、モデル化すれば異常検知ができるはずです。

しかし、今回のケースは、数百のセンサーが存在、かつ相関関係にあり、また異常であるとする教師データがありませんでした。そのため、今までは人手で代表的なセンサーの異常な動きをモニタリングしていたそうです。このような条件において、どのようにモデルを構築したのか・・・

次回、この案件について解説いたします!

長岡プロフィール写真

長岡 裕己(Hiroki Nagaoka)
DATUM STUDIO株式会社
エグゼクティブ・プランナー

■経歴
アメリカ、オレゴン大学にてマーケティングを専攻。
前職では人材領域で新規事業開発や南インド支社長などを経験
2015年、DATUM STUDIOに入社。
様々な規模・業種の企業様にデータ活用の提案を行っている。
愛犬(パグ)の散歩が趣味。

DATUM STUDIOへのお問い合わせはこちらまで
https://datumstudio.jp/contact

 

    

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