2017/07/06

ビッグデータマガジン 土本寛子です。
2014年11月12日(水)Tableau Conference On Tour Tokyoがコンラッド東京にて開催されました。今回はこのカンファレンスの事例共有セッションを中心にレポートします。
(カンファレンス時の発表スライドを撮影した写真等、不鮮明な画像が一部ございます。あらかじめご了承ください。)
■導入事例:Concur社(米国に本社を置く出張管理、経費精算ソリューションの世界的プロバイダー)Tableau導入事例
米国に本社を置く出張管理、経費精算ソリューションの世界的プロバイダーであるConcur社。Marketing Operations & Demand Central の Director を務める Greg Forrest 氏がConcur社における導入事例を発表。

<Concur Marketing Operations & Demand Central Director Greg Forrest氏>
Greg Forrest 氏は「2、3年ほど前までConcur社はデータドリブンな企業ではなかった」と説明。しかし、以下のTableau利用状況からわかるように、いまではTableauを使ったデータ分析がさまざまなプロジェクトで活用されているようです。
Tableauを利用しているのはある特定の部門ではなく、ファイナンス部門では予算管理、セールス部門ではパイプライン管理、IT部門では工数管理など、各部門がそれぞれの用途で積極的に活用。
このようにデータを自ら分析する文化が浸透したのは、Tableauという表現力が豊かで操作性に優れたツールを導入したからだとGreg Forrest氏は説明。
また、データドリブンな文化の定着には、とにかくまずはひとりでも良いし、ひとつの課題でも良いので、データをもらってきて分析してみてほしい。そして、その分析内容の共有を他の人と繰り返せば、意識が変わっていくと、説明されました。
■導入事例:リンガーハット Tableau導入事例
Tableauを活用した国内事例としては、長崎ちゃんぽん専門店を柱に事業展開する株式会社リンガーハットの事例紹介セッションがありました。
リンガーハットでは、以下のような課題がTableau導入前にはあったようです。
<リンガーハットにおける課題>
- リアルタイムなレポートではない(レポート作成時点でのレポートでしかない)
- 他社BIツールを導入済みではあるものの、新しい分析を行いたい場合には都度発注や依頼が必要とされる
- 店舗側はレポート作成のための時間が必要とされるため、主要業務時間を圧迫している
リンガーハットではこの課題を解決するために、「外注への発注やIT部門へ依頼する必要なく自分で分析できるセルフ型分析ツールであること」、「表現力のあるレポートが作成できること」を満たすBIツールを選定したようです。
選定の結果、要望を満たすTableauを採用し、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の導入支援のもと、要件定義から6カ月で稼働。
地図をマウス選択するだけで店舗比較が行えるなど、Excel上でデータを見るよりも数クリックで見やすいデータに素早くたどり着けると好評で、役員や店舗統括者が自らデータ分析を行っているとのこと。
グラフを用いてある目標に対する達成度を色分けし、そのうえで、データを地域ごとに見たり、曜日別で見たり、さまざまな軸での分析をその場ですぐに行える柔軟性とスピード感を持つ分析がTableauにより実現できているようです。

<Tablueau導入効果>
今後は「レシート明細データの活用」「売上予測や経費シミュレーション」などを視野に入れ、これからも継続的にTableauを活用する予定だそうです。
■Tableau新バージョンで実現される6つのポイント
カンファレンスでは、来年リリース予定のTableau新バージョンの発表もありました。

<Tableau新バージョンで実現される6つのポイント>
新バージョンではシームレスなデータアクセスやデータ補正、使用環境に依存せずオフラインでもストレスなく使えるオフラインショット機能、データ分析をアシストする分析機能のほか、指でなぞるようにデータをフィルタリングしてデータを抽出できる操作性、投げ縄やペイント感覚でデータを囲むことで分析の切り口を変えられるデータ表現方法など、ユーザーがよりデータ分析に注力できるようになるそうです。
■データをフォースに変えて戦う時代

ビッグデータマガジン 土本寛子
有料カンファレンスにも関わらず、定員である300名を上回る参加者が集まったTableau Conference On Tour Tokyo。
参加者には「DATA ROCKSTAR」Tシャツが配布され、データに熱狂する人々が集う活気に満ちたカンファレンスでした。
なお、Tableau上級者をどう呼ぶかご存じでしょうか?その名も「Jedi(ジェダイ)」!
スターウォーズのフォースマスターであるジェダイのように、データをフォースに変えて戦えるようになりたいですね。
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データに熱狂する人~目指すのは、データサイエンティストではなく“Data Enthusiast(データに熱狂する人)”を増やすこと~ Tableau Japan株式会社さまインタビュー
(https://bdm.dga.co.jp/?p=1425)
<執筆者情報>
土本 寛子(つちもと ひろこ)
~ビッグデータマガジンを通じて、ビッグデータに関係する方々を応援しています~
【経歴】モノづくりに興味を抱き、製造業向けシステム開発プログラマー、SE、業務およびシステム導入コンサルタントとして従事。また、ナレッジマネジメントやWebデザイン開発などにも関与。